※映画レビューはネタバレなしパートとネタバレパートに分けて書いております。
本来GWと同時に公開予定だった本作。
コロナとか芸能スキャンダルとか、色々な事情があって7月23日にやっと公開される事になりました!
テレビシリーズ時からの大ファンであるわたくしは、今回もダー子様に華麗に騙されようと思っていたのですが、ちょっとだけ大人の自分が“とはいえ流石にもう騙されますまい”とほくそ笑んだ顔を出していたわけです。
映画を評価する時には脚本から映像、演技や配役、衣装や音楽まであらゆる要素を加味して考えるのが面白いのだと思っているけど、
絶対観客を騙す
という前提で描くこのシリーズでは、とりわけ脚本が重要なわけです。
そういう意味では、古沢良太ファンのわたくしは心の底で“でも結局、映画館をニヤニヤしながら出てくる自分が想像できるぜ…”と思って挑みました。
そしてそこには、予想をはるかに裏切ったコンフィデンスマンの映画がありました…。
今回は、映画レビューをネタバレ無しパートと、ネタバレ有りパートに分けて書いてみたいと思います!
Contents
コンフィデンスマンJP プリンセス編の基本情報
邦題 | コンフィデンスマンJP プリンセス編 |
公開/製作国 | 2020年7月23日/日本 |
上映時間/映画区分 | 124分/G |
監督 | 田中亮 |
脚本 | 古沢良太 |
出演者 | 長澤まさみ 東出昌大 小手伸也 小日向文世 白濱亜嵐 関水渚 古川雄大 ビビアン・スー 滝藤賢一 濱田岳 濱田マリ デヴィ・スカルノ 織田梨沙 前田敦子 生瀬勝久 石黒賢 三浦春馬 広末涼子 竹内結子 江口洋介 柴田恭兵 北大路欣也 |
コンフィデンスマンJP プリンセス編のあらすじ
世界屈指の大富豪として知られるレイモンド・フウ(北大路欣也)が逝去し、彼の子供たちのブリジット(ビビアン・スー)、クリストファー(古川雄大)、アンドリュー(白濱亜嵐)が遺産をめぐってにらみ合うが、相続人として発表されたのは所在のわからない隠し子のミシェル・フウだった。すると、10兆円とされるばく大な遺産を狙うため、世界各国から詐欺師たちが集まりミシェルを装う事態になり、信用詐欺師のダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)もフウ家に潜り込む。
引用…シネマトゥデイ
コンフィデンスマンJP プリンセス編の感想
ネタバレ無し感想
まず、これまでの作品を観る必要があるかどうかに関しては、観た方が良いなぁ。観なくてもある程度ついてこれるとは思うものの、後半以降でかなりおいていかれる可能性が高い…。
けど、その分華麗に騙してもらえる可能性は高い?かな?
内容に関しては、タイトルにも書いた様にまるで映画版のドラえもんを観ている様だった。
どんな部分が映画版ドラえもんなのか、というのは書いただけでネタバレになりそうなので割愛致します。ヒントとなるか分かりませんけども、超純粋ピュアで心がエーゲ海並みに透き通っているわたくしは、
後半ずっと泣いていた
もう1つヒントとしては、わたくしは人と泣き処が違うので、多くの人と泣くポイントや泣く理由が違うという事はお伝えしておきましょう。
(つまり何のヒントにもならない。)
随所に散りばめられている(はず)の伏線を、「これ伏線で合ってる?」と思いながら観て、それが回収されていく様は、「なるほど、そう来たか!」となるわけなのです。
騙されまい、騙されまい、と思いながら観ているのに、それでも騙される…。
が、しかし、ある程度の回数コンフィデンスマンJPを観ている人は恐らく「これはきっと騙しだな。」と気が付く(多分製作側も気が付く前提で作ってる。)部分もいくつかあり、それなのに「で、それが騙しだったとして、それで、何なの?」ってなる。
あれ?それはわたくしの想像力が不足しているせい???
一応、騙されまい、と思いながら観ているけど、個人的な価値観としてはあまりにも穿った目で見てあら探しをするのは、映画を楽しむ行為からそれているとは思ってるよ!言い訳か?これ。
映画の予告を観ていてかなり心配していたのは、
その登場人物の人数と豪華さ
人数はまだいいのよ。
でも1人1人が豪華な俳優だと、映画ファンはちょっと心配になる…。
1人1人にそれ相応のシーンを作ろうとすると、そっちが優先されて脚本がしっちゃかめっちゃかになるからなのです。
だがしかし、この映画はそれも非常に上手だった。
え、この役者さんがこれしか出て来ないの?え?喋ったっけこの人?
って感じで、ちょい役に豪華俳優が器用されているだけで、本には影響していない様だったからなのです。あー一安心。
これ、騙す為のトリックだと思われます。さすが!
そんな豪華俳優陣の中でも、ひときわ輝いておられたのが
柴田恭兵様
でございました。
本当に渋かった…。これ以上色々書けない~。
そしてネット上でも多くの人が言ってて(わたくしだけじゃなかった、良かった。)と思ったのが、
予告編からずっと、映画開始されて30分ぐらいまで、
広瀬すず出てると思って観てた。
途中で「あれ、ちょっと違う…?」って我に返ったのは有名な話し。
そして、このタイミングだと書かないわけにはいかないのが
ジェシー:Jesse(三浦春馬)の話し
いや、最初にジェシーがばーんって登場しただけで、お母さん(私)泣きそうになったよ。ジェシーの役は彼しか出来ないなぁ。
あれこそ“華麗”なんだなと言いたい。
とにかく今回の映画は、誰が誰に騙されてるのか、最後まで全く分かりませんので、気を緩めずに楽しく華麗に騙されてみてください♡
エンドロール終了までが映画ですよ~。
主題歌、official髭男dismの「laughter」が、めちゃくちゃ映画に合っているので、エンディングも泣けます。
あの曲がこの映画のために作られたわけじゃないっていうんだから、本当に驚きます。
もちろん、映画館出てすぐlaughterを再生しました。
もちろん、リピートで。
ネタバレ有り感想
とにかく、誰が誰を騙しているのか最後まで分からない、というのが今回は非常にワクワクポイントでした。
前作を観ていると余計に「どこまで遡ったら嘘なの?」とも考えてしまうし、「誰が子猫で誰が敵?」とも考えてしまう。
そんな事までをお見通しで脚本が完成したんじゃないかって思うと、もう今後どんな展開ででも永遠にコンフィデンスマンJP続けられるんじゃないの?と勝手に期待してしまう。
映画版ドラえもん、と評したのはまさにそのままだと思っていて、冴えないのび太がドラえもんと仲間の力を得て、何かを成し遂げるという風にも捉える事が出来るし、のび太がたまたま出会った心優しい子をプリンセスにするまでを描いているとも捉えられるかな、と。
“冴えない子が優しい心や勇気を持っていたから成功する”いわゆるシンデレラストーリーはヒットの法則では度直球なので、ハリーポッターにも同じ事が言えるわけです。
どなたかが番宣で『王道』と言っていたけど、なるほどこういう意味での王道か、と大きく納得です。
そしてそれに納得すると同時に「確かにそれならコックリは広瀬すずじゃイカンな。」とも少し思ったわけです。広瀬すずは華があり過ぎるのよね。(←見間違えてたくせに)
広瀬すず出てる割にはテレビでも見かけないしネットも騒がしくないな、とは思ってたんだよー。てへぺろ(古)
あと、個人的にあの映画の隠れた優勝は江口洋介の赤星はん。
もはや愛しい。
ダー子に欺かれるのが当たり前の“お約束”になっていったらこれはこれでファンとしては嬉しい。
結局この一連の出来事の“仕掛け人”を誰だと思うか?は人それぞれだと思いますが、個人的には
結局ダー子
って事になってます。
皆してレイモンドおじいちゃんに踊らされてたっていう考えも面白いんですけど、しかしそのヒント(答え)を与えたのは結局ダー子なので、本人の自覚が無いままこの出来事を起こした、というのがわたくし個人の見解。
そして、ネットでぱっと見た感じだと「良い映画なんだけどなんかモヤモヤが」とか「スッキリしない」と言っている方がいたので、それについて解説しましょう!
なんせ、わたくしもこんなにこの映画を褒めているのに満点にはしませんでしたのでね。
スッキリしないのは、ダー子さんがほぼ儲かっていないから。
最後の、いつもの、お札をばらまいてのパーティがないから!
髭男のノーダウトがかかるシーンがないから!!
だと思います!!!!!!!
これは、相当製作側は悩んだはずだ~~。
悩んで、これを入れないラストにしたんだな。
だから今回の映画は感動的だし、凄く良い映画になっている。
けどコンフィデンスマンJPのアイデンティティを失ったかの様な終わり方だったのだよ。
ドラマ版でも詐欺が失敗する事はあったし、今回の映画だって冒頭では失敗してる。
だから、3人にとってオケラは珍しい事ではないんだけど、観ているこっちは消化不良、なわけです。
さてさて、熱を帯び過ぎた今回のレビューももうお別れです。
笑えるシーンも多いコンフィデンスマンJPですが、
最初と最後で大爆笑させてくださったのは、五十嵐でした(笑)
あのタイミングでコケるのはズルいし、最後の登場シーンとか、笑わないでいれる人いるの!?(笑)
あと、ジェシーとダー子のダンスも、かっこいいし面白いし、ラ・ラ・ランドだし、すっごく良かった。
今後コンフィデンスマンJPが継続されても、ジェシーがいないなんて、本当に悲しい。
コンフィデンスマンJP プリンセス編のBD/DVD販売とネット配信
映画が公開したばかりなので、BDの販売もネット配信もまだです。
劇場公開情報は下記よりご確認ください。
※劇場情報は変わる可能性があります。