※映画レビューにネタバレは含まれません。万が一ネタバレを書く場合は必ず直前に注意を促します。
人にはきっと、
そのストーリーに出会う“タイミング”
というものがあるんだと思う。
高校生の頃、学校行事のため帝国劇場で
レ・ミゼラブルのミュージカルを鑑賞した事がある。
正直高校生(私達の様なふざけた高校生)には早すぎる芸術作品で、
当時友人とは『パンを盗むんでしょ?』
『そう、パン盗んで逃げる話し。』とだけ会話して、
その後本番では寝るという愚行を働いた。
それから時は経ち、
ジャンバルジャンはヒュージャックマンになって私の前に現れたのだ。(逆か!)
奇しくも、その映画をわたくしは
『そう、パン盗んで逃げる話し。』と回答した友人と一緒に観る事になった。
そして2人はその映画で大号泣したのだ。
前置きが死ぬほど長くなったが、つまり、どんなに素晴らしいストーリーでも、
観る側が整っていなければまだ出会えていないも同然になるんだろうな、
とこの時実感したのだ。
(出会うも何も、寝てたんだけど)
『若草物語』もわたくしにとって、
記憶にあって記憶にないストーリーだった。
ある理由で若草物語には特別な親近感が昔からあるんだけど、
なんと、内容を読んだことが無かったのだ。
家に絵本があった。2種類も。
中学生の時の読書感想文で若草物語を読んだことにした。
ハウス名作劇場でもやっていた。再放送もしていた。
しかし、きちんと内容を読んだり観たりした記憶が全く無かったのだ。
そしてそもそも、コロナ自粛がなく、
本来の予定で映画スケジュールが組まれていた場合、
わたくしこの映画は観る予定に入れていなかったのだ。
そしてわたくしはその2つの事を、今日
グッジョブ、昔の自分!
と思っている。
きっと、この映画はわたくしが“今”観るのがベストだったんだと思う。
Contents
ストーリーオブマイライフの基本情報
邦題/原題 | ストーリーオブマイライフ/Little Women |
公開(日本)/製作国 | 2019年(2020年6月12日)/アメリカ |
上映時間/映画区分 | 135分/G |
監督 | グレタ・ガーウィグ |
脚本 | グレタ・ガーウィグ |
出演者 | シアーシャ・ローナン ティモシー・シャラメ フローレンス・ピュー エリザ・スカンレン エマ・ワトソン ローラ・ダーン メリル・ストリープ |
ストーリーオブマイライフのあらすじ
しっかり者の長女メグ(エマ・ワトソン)、アクティブな次女ジョー(シアーシャ・ローナン)、ピアニストの三女ベス(エリザ・スカンレン)、人懐っこくて頑固な四女エイミー(フローレンス・ピュー)、愛情に満ちた母親(ローラ・ダーン)らマーチ一家の中で、ジョーは女性というだけで仕事や人生を自由に選べないことに疑問を抱く。ジョーは幼なじみのローリー(ティモシー・シャラメ)からの求婚を断って、作家を目指す。
引用…シネマトゥデイ
ストーリーオブマイライフの感想
なんだこの映画、良い人しか出て来ない異世界ストーリーなのか?
と、途中で3回ぐらいは思うほど、登場人物が全員魅力的。
魅力的って言葉は幅広いけど、思いやりがあり心優しい人ばかりが登場する。
慈悲深く、愛情深い母親と、
家族を愛しながら遠く離れた戦場にいる父親。
個性豊かでそれぞれの価値観は異なりながらも
仲良く暮らす4姉妹。
女性が活躍する事が難しい時代に、
自分の小説を認めてもらいたい主人公と、
その才能を支持し続ける家族。
こんな内容は、
大人になってから観た方が刺さるってジョニー(誰
何回泣きそうになった事やら…。
家族愛
友情
恋愛
芸術愛
たくさんの種類の“愛”がこの映画には登場するので、
観る人は自分がどの“愛”を気に入ったか、考えてみるのも面白いかもしれない。
たくさんの愛を見つけてみて欲しい。
書くとネタバレになるので割愛…。
そして、恋愛や結婚は本当に“タイミング”なんだな、
という事も実感させられる、妙に現実的な内容…と思ったら、
実話でしたね。
そういう恋愛という方向性での、
考えさせられ方も凄く良かった。
切な過ぎてあれも泣く。
途中の主人公ジョーとママのやり取りで、
とても刺さったセリフがある。
(内容に関係無いけど、ネタバレって思ったらごめんなさい。)
ジョー
I don’t wanna love.(愛したくない)
Wanna be loved.(愛されたいの)
ママ
It’s not love.(それは愛じゃないわね)
※英語の記憶曖昧
母娘の関係としてもだし、
セリフのタイミングもそうだし、
言ってる内容も、凄く良かった。
そうね、愛されたい、は愛じゃないわね(共感しすぎ)
キャストに関しては、全く言う事ないですね。
エマワトソンの美しさと、シアーシャローナンの表現力と、
ベス役のエリザスカンレンの微笑ましく純粋無垢な感じとかも凄く良かった。
そしてなんといっても、それ程出て来ないのに存在感が凄まじい
メリルストリープ
そして、そして、知りませんでした。
ティモシーシャラメ…。
う、美しい…。
なんか、エディレッドメインを思わせる…。
あと、実は今回『エマワトソン』『シアーシャローナン』
『メリルストリープ』しか演者を把握しないで映画観たんですよ。
(観る予定じゃなかった映画ですのでね)
なので、ずっと
『エイミー…見た事ある気がするんだけど…。』と思っていて
そしたら映画途中のなんて事無いシーンで
エイミーが花の王冠頭に飾られてて
あれ…?
もしかして…
おまえ、ミッドサマーの…!!!
って、なりました。
(口悪くてすみません。心の中だけです)
フローレンスピュー、調べたら本作で
アカデミー賞助演女優賞ノミネートされてたんですね。
というわけで、キャストについても全く違和感なく観る事が出来たのです。
(あの花冠のタイミングだけ心がざわざわしたけどな。)
これがネタバレって思ったらごめん…。
ストーリーオブマイライフと衣装
アカデミー賞、衣装デザイン賞を受賞している本作!
だから分けて書くのではなく、個人の主観でわざわざ分けて書きたかった。
それは、衣装のデザインではなく、
衣装で使われていた色!
わたくしも途中から気にして見ていたので、
もしかしたら間違っているのかも?しれませんが
ネガティブな感情のシーンで、
暖色系の色の衣装(並びに小物)が使われていない。
(気がする←弱気)
もしくは、フィルムの処理の仕方なのか…。
いや、あれは衣装そのものだったと思うなぁ。
映画は、2つの年代のシーンを行ったり来たりするタイプの
ストーリーなんだが、明確に時代の切り替えが分かる“印”がない。
キャストの表情や出来事、
周囲の物事で頭をスイッチしなくてはいけない。
しかしよく見ると(映画の中での)
現代では寒色系の色の衣装しか登場しない。
そしてそれが、映画そのものの感情と共に
暖色系の色の衣装に変わっていく。
これは正直、あったような無かったような。
オズの魔法使いでドロシーがオズの国でだけフルカラーになって
カンザスではモノクロ、という手法があったけど
色がある状態で使い分けるとは天晴!!
つっといて違ってたらめっちゃ恥ずかしい。
しかし、そう見えたのだ!!!!!
色の変化による感情の印象付けについては
いくつかの映画で語られる事はあったものの
ここまでハッキリ感情と時代を分けるというのは
かなり面白いトリックだと思う。
わたくしも絶対もう1回以上観ると思うので、
その時は再チェックしようと思う。
ストーリーオブマイライフのBD/DVD販売とネット配信
映画が公開したばかりなので、BDの販売もネット配信もまだです。
劇場公開情報は下記よりご確認ください。
※劇場公開情報は変わる可能性があります。